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看板の落下リスク、点検で回避

建設機械のオペレーションを手掛けるエフケイプラン(川崎市幸区南加瀬)は、屋外看板の点検・メンテナンスに特化した新事業を始めた。主力とする高所作業車のオペレーション事業のスキルを生かした。店舗やビルなどに設置されている看板は、老朽化が進むと落下するリスクがある。そのため、建築基準法に定期的な維持保全が盛り込まれているが、あまり知られていないという。新事業では、看板の高さや大小を問わず、専門技術を生かして老朽化・腐食化が分かりにくい内側構造などを点検。所有者に報告書を提出する。

「高所作業車」の活用で新事業

屋上や壁面看板、袖看板、ポール看板などは街の至る所に設置されているが、時間とともに劣化する。

例えば、看板と壁面をつなぐブラケット鉄骨やボルトなどは、さびて腐食が進んでいても気付くことがない。そのため、専門家による定期点検が必要になってくる。

万が一、落下事故が起こった場合は、建物の所有者も責任を負うことになり、台風や地震発生時には落下リスクが一気に増す。

今回、「サインエージェンシー」と名付けた新事業は、同社が保有する高所作業車で現地に行き「広告物点検技士」の資格を保有する専門家が隅々までチェックしていく。

補修や撤去(いずれも別料金)もする。作業は1日程度で完了するという。価格は5万円からで、高所作業車を使用した場合は10万円から。

「看板落下のリスクは、実際に内部まで見てみないと分かりません。定期点検をしなければならないことも周知していきたいです」と、八木勝利社長は語っている。

■コロナ禍きっかけに新事業

新事業のきっかけはコロナ禍。屋外看板や室外機の設置、テレビ番組撮影などで使われる高所作業車を、オペレーターとともに派遣することを主力事業とするが、コロナ禍で一時期、需要が激減した。

そうした中、自社設備やノウハウを生かした新事業ができないかと、今回の看板点検を始めることになった。

現在、看板の老朽化は全国で進んでいる。大地震のリスクも常にある中で、ニーズが見込めると判断。将来は同事業のフランチャイズ(FC)展開も視野に入れる。

(2023年4月号掲載)