調味料製造販売、武居商店(横浜市金沢区鳥浜町)が、ナショナルブランド(NB)商品事業を強化している。現在、たれ・ドレッシングのオリジナル「TAKEi」ブランドを30種類以上展開するが、今後は年間6種類ほどの新商品を投入していく。「横浜市内の家庭に(当社商品が)必ず1本置いてあるまでに広めたいです」と武居順平社長は話している。
「横浜の家庭に1本」目指す
大手食品メーカーから液体調味料のOEM(相手先ブランド生産)などを受託する。1872(明治5)年創業の長寿企業。武居社長は6代目。牛肉の食文化の始まりとともに開業し、当時は牛脂の製造・販売を手掛けていた。
その後は、鶴見区の「横浜食肉市場」を拠点に、動物の原皮(げんぴ)から皮革をつくる「なめし屋」に皮を卸す卸売業に進出。現在も引き継がれ、「革用原皮卸売」は主力事業の一つとなっている。
昭和に入り液体調味料や食品(ガラスープなど)の受託生産を始めた。液体調味料は、これまでプライベートブランド(PB)商品を主体に生産してきたが、武居社長の入社後、“攻めの商材”になるNB商品の構想を練り、コロナ前に焼肉用たれやドレッシングなどの家庭用商品を開発した。
「最初から大手スーパーには並べてもらえません。ならば自販機で」(武居社長)と社屋の隣に設置。県内初の「たれ自販機」として話題を呼んだ。
現在、たれ自販機は市内7カ所に置かれているほか、横浜南部市場内に直売所も運営する。
■ECサイトをテコ入れ
人気の「オリジナルソース」や「無限やみつきソース」のほか、「はま昆布ぽん酢」「焼肉のたれ金」「オイルソース」など、扱っている商品は個性派ばかり。
「NB事業だけでまずは年間1億円の売り上げを目指したいです」としており、今後はECサイトでの販売にもテコ入れし、ニューアルもしていく。