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45年越しの「夢」かなえる開業

日帰りや数日程度の旅行に必要な荷物を取り付けられる仕様の自転車「ランドナー」に特化した自転車店、自転車工房ベルクレッタ(横浜市鶴見区駒岡)が開業した。自転車に魅了された少年期から45年。野村亘オーナーにとっては「ずっと自転車屋になるのが夢でした」。人生100年時代とされる中、野村オーナーは、フランス語の「ランドネ(小旅行)」を語源に持つ“旅する自転車”の魅力を伝えるため、第二の人生で開業に踏み切った。

旅する自転車の魅力伝え

このほどオープンした同店は、町の自転車屋さんとして、パンクや修理から自転車のカスタマイズまで手掛ける一方、ランドナー専門店として幅広い車種に対応する。

その中で、同店オリジナルランドナー「輪行革命」は、公共交通機関で自転車を運ぶ際、専用袋に入れるための分解作業の労力を大幅低減した。独自の特許技術により、5分あれば誰でも分解できるという。組み立ても簡単だ。愛車を気軽に目的地まで運べるようになることで、旅の楽しさが広がるという。

■第二の人生

「中学生の頃に自転車に出会い、高校、大学と乗るだけでなく、改造したり修理したり、これまでどれだけ自転車をいじってきたか数えきれません」と語る野村オーナー。前職はメーカーの開発職。定年目前の58歳で早期退職し、自転車店で2年間の修行を積み、念願の店を開いた。

コロナ禍の真っ最中に開業準備が重なった。ビジネスとして軌道に乗せるのはこれから。「自転車の旅の楽しさを伝えたいです。毎日乗っている自転車の故障や思い出の自転車のレストア、どんな悩みにもこたえる“街の自転車屋さん”になりたいです」と野村オーナー。

妻の眞奈美さんと二人三脚で、第二の人生にペダルをこぎ出す。

(2023年1月号掲載)