自動車の内装クリーニングサービスをフランチャイズ(FC)展開する、アイ・ケイ・シー(IKC、鎌倉市山崎)は、塗布するだけで、新型コロナウイルスに対する抗菌・抗ウイルス効果が半年以上持続する特殊コーティング剤を、FIX(横浜市緑区)などと共同開発した。主成分であるエタノールに対し、第4級アンモニウム塩などを特殊技術で配合した。「テーブルやドアノブを頻繁に拭き取る除菌作業、除菌疲れから解放します」と木村光夫社長。FC加入店舗での取り扱いを始めるほか、直販も開始する。

抗ウイルス塗料を共同開発

第三者機関、QTEC(日本繊維製品品質技術センター)神戸試験センターで実施した新型コロナに対する有効試験では、ウイルスが99.9%消滅したという。ノロウイルスにも対応する。

同製品は無色透明。含有する第4級アンモニウム塩は昨年6月、独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)が発表した最終報告書の中で新型コロナに対する有効性が記載されている。

キッチンペーパーなどに適量を含ませ、金属や樹脂などを拭くと、表面に除菌成分が含まれたミクロンレベルのガラス質被膜が形成される。15~30分程度で表面が乾燥し、後は放置しておくだけで効果が継続する。「一度塗ってしまえば、半年から1年は持ちます」(木村社長)と言う。

現在、接触感染を防ぐため、人が手にする物に対し、アルコールによる拭き取りなどが行われている。しかし「度重なる除菌作業がストレスにもなっています」(同)と話しており、同製品を塗布すれば拭き取り作業がなくせるとしている。

今後は全国に約50あるFC加盟店での導入を進める。自動車のみならず、店舗やオフィス、公共施設などへの販路も見込んでおり、関連業者に対し販売していく。価格は4リットル入りで数十万円を想定する。

(2021年7月号掲載)