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飲食店の差別化には「高級海苔」を

老舗海苔卸問屋、高喜商店(川崎市中原区木月)は、飲食店と共同で、海苔(のり)による差別化キャンペーンを展開する。メニューに合う海苔を全国の産地から選定して提案、店頭に高級海苔を使用していることを表示して店のブランド価値を高める。すし、そばなどの日本料理店だけでなく、ラーメン店やイタリア料理店などにも幅広く協力したい考えだ。

老舗卸がキャンペーン提案

■店側に関連グッズ提供

高喜商店は1901(明治34)年の創業。佐賀県の有明海産や東京湾産を中心に全国の海苔を仕入れ、自社工場で最終加工した焼きたての海苔を販売している。

「海苔は同じ海でも収穫した浜によって特性が違います」(高田久社長)といい、飲食店のメニューに合わせた食感や風味、コストなどを勘案して最適な海苔を提案。飲食店での在庫を1カ月以内にして海苔の鮮度や食感を落とさないよう、出荷のタイミングも管理する。

キャンペーンの対象は、すし店やそば店の定番メニューを想定。このほか、おにぎり専門店、ラーメン店のトッピング、海苔の切れ端や粉末を使った焼きたてパン、イタリア料理の新メニューを開拓する。

店頭で高級海苔の使用をアピールできるよう、のぼりやポスターなど同社オリジナルの販促ツールも提供。「高喜の海苔」を表示してもらうことで卸側のブランディングも図る。

■小売りにも進出

また、同社は飲食店・小売店向け卸販売のほか、2019年には本社にファクトリーショップを開設。海苔のブランドイメージを高める小売販売を行っている。

創業120周年を記念したギフト商品「喜(よろこび)」は、最高級の素材を元に受注生産するとともに、業界の常識である「10枚一組」でなく「6食入り3500円」とした。

新機軸を提案する5代目経営者の高田社長は「良い海苔のおいしさは一度食べれば忘れないものです。お店の差別化に貢献できます」と話している。

(2024年4月号掲載)