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食品を短時間で解凍する技術 味や食感を保持、作業も軽減

プロトンエンジニアリング(東京都品川区南大井)は、食品工場向けに短時間で品質を保持する「解凍技術」のエンジニアリング事業を展開する。これまでの室温放置や水道水にさらす解凍では、味や食感が損なわれるうえ、大量の凍結材料を運ぶ人力の作業が重労働だった。そのため、食品メーカーや流通の大手を中心に、商品の品質向上と労働環境の改善による人材確保を狙い、解凍のノウハウを持つ同社への引き合いが増えている。

鶏肉2キロを3時間で解凍

同社は2018年設立。庄司晃社長は冷熱業界の複数企業で食品機械の設計開発を長く担当、自ら開発した解凍機を製造販売するために独立した。

同社が主力製品とする「プロトン解凍機」は、凝縮潜熱を利用した湿度100%の低温高湿度システム。特許も取得済みだ。

同製品を使用すれば自然解凍で5時間から8時間かかっていた鶏肉ブロック2キロが3時間で完全解凍できるという。

食品の表面が乾燥せず、ヒーターや電子レンジ方式と違い、均一にムラなく完全解凍できるため、食味も優れるという。

また、同社では解凍機の単体販売ではなく、前後の製造工程をヒアリングし顧客のニーズに合わせて設計するエンジニアリングサービスも展開している。

顧客ごとに異なる凍結食品の種類や処理量に合わせて解凍機の能力を設定し、樹脂製の穴あきコンテナのまま解凍でき、清掃などランニングコストも最小限に抑えたシステムを提案する。費用は1バッチ処理当たり160キログラムで数百万円。

「自然任せの解凍ではなく解凍機を活用すれば、夜間にセットして朝の始業に合わせて解凍するなど、計画的で効率的な運営が可能になります」(庄司社長)と話している。

解凍する食品の表面温度を管理できるため、解凍後に店頭に並べてからの賞味期限を延ばせるとみて研究を進めるなど、冷凍・解凍技術による食品産業の高度化を目指している。

なお、同社は本社機能の「プロトンエンジニアリング」と、凍結機など他の自社製品を開発・製造する「MPエンジニアリング」、飲食部門を開拓する「MPソリューション」の3社でグループ経営を進めている。

(2025年11月掲載)