バイオインサイト(東京都稲城市大丸)は、遺伝子組み換え大豆の検出を、政府通知法では検知できない品種も含め、全品種に拡大したDNA検査サービスを開始した。PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法による定性検査で、検体到着後に3営業日程度で「遺伝子組み換え大豆が混入しているかどうか」の結果が分かる。遺伝子組み換え作物の表示基準厳格化をにらみ、“素材成分の見える化”を支援していく。

バイオインサイト、見える化で高付加価値に

代替ミートや植物性タンパク質「ソイプロテイン」としてもニーズが高まっている大豆だが、日本は9割以上を輸入に頼る。海外では、生産性を高める目的で、除草剤を噴霧しても枯れないような、機能性を持たせた遺伝子組み換え大豆の栽培が普及しており、日本でも安全性審査を経た輸入品が流通している。

そのため、加工食品として販売する際は、食品表示基準に基づき「遺伝子組み換え大豆を使っているかどうか」の表示制度が設けられている。

現行では一定の分別生産流通管理をした上で、遺伝子組み換え大豆の混入が5%以下であれば、意図しないものとして、「遺伝子組み換えでない」大豆と表示できる。しかし、2023年4月からは表示基準が厳しくなり、全く混入していないケースを除き「遺伝子組み換えでない」と表示できなくなるという。

今回開始した検査サービスは、ものづくり補助金を活用して開発。素材にこだわる食品加工メーカーの安全性確認に活用してもらうことを想定。

プランは5種類。現在の基準に合わせた簡易的検査のAコース(1万9800円~)から、日本で輸入が許可されている遺伝子組み換え大豆18種類すべての混入の有無が検査できるEコースまでを用意する。

伊藤俊介社長は「見えないことを見えるようにすることで、ブランディングや販路開拓につなげることもできます」と語っている。

(2021年8月号掲載)