金属加工・樹脂加工・その他加工

電気給湯器の基幹部品で新工場

水制御用バルブ(弁)製造販売、ダンレイ(茅ヶ崎市南湖)は、同市萩園に新工場を建設する。2022年8月の稼働を目指しており、電気給湯器「エコキュート」の基幹部品、減圧弁・逃し弁を生産する。

脱炭素や省エネに対する機運の高まりでエコキュートの需要増を見込み、本社工場も手狭になったことから決めた。

ダンレイ、需要増にらみ茅ヶ崎市内に建設

エコキュート用の減圧弁、逃し弁で業界シェア6割超を占める老舗。現在、各種業界向けに数十種類のバルブを年間約165万台生産。エコキュート用は、その中でも主力事業と位置付けている。

森上和久社長によると、エコキュートは2002年の発売開始から普及が進んでいるが、現在は買い換え時期に当たり、年間60万台程度の市場があると言う。

「(住宅やマンションなど)建物の省エネ化も求められていることから、これからも需要が増えます」(森上社長)としており、新工場建設を決めた。

新工場は2階建てで、延べ床面積約3000平方メートル。現工場に金属部品の切削加工などの機能を残し、アセンブリー業務は新工場が担う。

すでに着工しており、22年6月の完成、同8月に稼働させる予定。稼働により、減圧弁・逃し弁の生産能力が高まるとしており、人員も増やす計画だ。

■業界のオンリーワン

1953年3月に設立。エコキュート用の減圧弁・逃し弁で、これまで主流だった金属製から腐食がない樹脂化に業界で初めて成功した。現在は市場シェア6割超を占めるオンリーワン企業になっている。

エコキュートの減圧弁は、お湯をためるタンクに給水する際に水圧を制御する役割を持つ。一方、逃し弁(安全弁)は、湯を沸かした時にタンク内で膨張した圧力を逃がしてタンクの破損を防ぐ。最近では世界初、逃し機構付きの樹脂製の減圧弁も開発している。

(2021年11月号掲載)