住まいの産業 / ライフサイエンス

障がい者の能力「見える化ツール」普及

障がい者の就労支援を手掛けるダンウェイ(川崎市中原区新城)が開発し、障がい者の能力を可視化できるツール「シームレスバディ」が、急速に普及している。障がいの特性やその人の得手・不得手を“数値化”することで、能力開発につなげるものだ。2020年12月のリリースから1年で企業や福祉事業所など、全国で約40カ所が活用、累計利用者は500人に上る。

ダンウェイ、1年で40カ所が活用

同システムは、パソコンやスマートフォンから、障がい者の基本情報と専用アセスメント(能力試験)の結果を登録すると、その人の能力や特性を「基本評価36+職業能力」のブロックチャートで表示、ウェブ上で“カルテ”を作成する。

このチャートにより「数」や「空間」「関係性」など、目で見たものや耳で聞いたことを、障がい者がどの程度理解しているかが分かるという。「障がい者一人一人の異なる特性を知ることで、その人に合った能力開発やキャリア形成にもつなげることができます」と高橋陽子社長は語る。

■海外展開も視野

埼玉県では昨年、障がい者の雇用や職場定着を目的に、シームレスバディを活用した「ICT活用型教育訓練」が行われた。

障害者を雇用している企業20社が対象。雇用する社員の「障害の特性が分からない」「どのように合理的配置をしたらよいか分からない」などの悩みや、「コロナ禍で業務が縮小し、ジョブシフトをしなければならないが任せられる仕事がない」などとする企業が応募した。

今後は国内での普及を進める一方で、海外市場への展開も見据える。

(2022年2月号掲載)