住まいの産業 / ライフサイエンス

鎌倉のイチゴ園は「人をつなぐ場」

鎌倉観光いちご園(鎌倉市笛田)が人気を集めている。神奈川県内有数の人気観光地でもある鎌倉唯一のイチゴ園で、「イチゴ販売所」も併設し、話題にもなっている。同園の郷原啓介代表は「イチゴ園は人と人との縁をつなぐ場」と話しており、地元に根ざし長く続けることで、イチゴ園を“思い出の地”として、昔の仲間や同僚たちが再会できる場所にしたいという思いがある。

販売所も人気、世代を超えて

同園は1985年に郷原代表の父がオープン。約2400平方メートルの敷地にビニールハウスが3棟並ぶ。「来園者が入りやすいように、名称も農園ではなく『観光農園』となりました」(郷原代表)。

時期によってばらつきがあるが、年間数万人が訪れる人気イチゴ園。大粒で深い甘みのあるオリジナルブランド「紅静(べにしずか)」や「紅ほっぺ」が楽しめる。

13年前に父親から継承した郷原代表。若い経営感覚を生かして始めた販売所も、即日完売するほど根強い人気になっている。

開園から約40年。自分が子ども時代に楽しんだ場所が、今度は息子や娘、孫と一緒に来園する人、かつて一緒に訪れた同級生たちが同窓会的にイチゴ狩りを企画し、再会を果たすケースも出てきた。

「世代を超えて愛されるのがイチゴです。イチゴ園は人と人をつなぐ場としての役割もあると思います」と語っている。

(2024年5月号掲載)