住まいの産業 / ライフサイエンス

遺族に寄り添う葬儀 ベテラン社員のワンストップ対応

老舗葬儀社の神奈川式典(川崎市中原区下沼部)は、遺族からの第一報を受けてから葬儀の段取り、施行、さらにはアフターフォローまでの全てを原則、一人のベテラン社員(葬祭ディレクター)がワンストップで担当する体制を敷く。分業制の大手葬儀社とは一線を画し、少しでも不安を解消してもらおうと始めたもので、遺族に最初から寄り添えるとして信頼を得ている。

引き取り、葬儀進行、相続

創業75年超、一貫して地域密着を貫く。本社近くの中原区上丸子山王町には自社式場「アクアホール神奈川」を所有。家族葬のみならず「火葬式」や1日で葬儀と火葬を済ませる「1日葬」など、葬儀の多様化にも対応する。現在、社員3人で年間100件ほどを手掛けている。

こだわるのはベテラン社員による担当制。遺族より最初の連絡を受けてから、遺体の引き取り、保存、葬儀の段取り、葬儀当日の司会進行、火葬場までの同行、そして相続など葬儀後の相談にも応じている。

口コミで「安心感」

「ご遺族にとって葬儀は何十年に一回のこと。だからこそ、最後まで寄り添うことが大切です。私たちにとっても葬儀は失敗できない仕事です。いかにご遺族の立場で考えられるかが大切です」と、横溝秀喜社長は説く。そうした姿勢が安心感につながり、口コミや評判を呼んでいる。

葬儀業者としてデジタル時代にも対応する。業界では珍しく、オンラインでの葬儀相談サービスも開始。チャットやリモート通話を通じ、事前相談や遠方の遺族からの相談にも応じている。

横溝社長は「『父親が入院していてもう危ない』と、亡くなる前に相談に来る方も増えています。今後はメニューを増やしながら対応していきたいです」と話している。

(2024年9月号掲載)