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運送業が地域情報発信の新事業

物流コンサルを手掛ける野路(横浜市鶴見区尻手)が新事業として始めた地域特化型ポータルサイト「これつる」が話題を呼んでいる。鶴見区限定。区内を18の地域に分けたニッチ情報が満載だ。「人、モノ、コト、歴史や行政など、鶴見区のあらゆる地域情報の交流拠点を目指しています。ここで知った情報が社会課題解決の糸口にもなれば」と、野路晶基社長は話している。

鶴見限定の地元密着ポータルサイト

同社は、弁当や食材など温度管理を伴う食品をメインとした軽貨物運送を手掛ける。野路社長は、主に中小企業1800社が在籍する県法人会連合会青年部会連絡協議会の元会長でもある。

コロナ禍で飲食業が打撃を受け、同社の仕事は激減。法人会や経営者たちの情報交換の場である経済団体の活動も、相次いで休眠状態になった。

「活動もない。人とも会わない。このままではいけない」と、新事業として情報発信を始めた。最初は社長一人でYouTubeチャンネルを開設、手探りで編集も続けていた。

そんな折、地元の地域情報誌の名物記者から相談を受けた。この地で15年以上活動し、行政から経済界、地域のお店まで、知らない人はいないような人材だったが、転勤となり悩んでいた。

「それなら俺と一緒にやろう」と、地元の若手名士と鶴見の名物記者がタッグを組むことになった。

現在、ポータルサイトとSNSを通じた情報発信のほか、地域イベントの企画・運営なども行っている。「鶴見区は地域によってもさまざまな魅力があります。臨海部の工場夜景や仲通商店街地域の沖縄南米タウンなど、外から人を呼び込むための観光情報も発信していきたいです」と、野路社長は語っている。

(2023年6月号掲載)