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超薄型メンブレンディスプレイ需要増

操作パネル設計・製造のタッチテック(横浜市中区尾上町)が開発した超薄型のスイッチパネル「メンブレンディスプレイ」が注目されている。一般的な操作パネルは、印刷シートと板金、タクトキー、基板といった「4階建て」の構造だったが、同製品はオリジナルパーツを開発したことで一体化した構造を実現。厚さ4ミリ前後の極薄になった。これにより、設計の自由度が高まるという。現在、完全受注生産により月に60~80種類を製造、累計80万台を出荷するほど。その用途は産業用から医療機器にまで広がる。

一体化構造で完全受注生産

従来のタッチパネルは4階建て構造に加え、基板上に7セグ(デジタル表示するための部品)のLEDやCPU、センサーなどを搭載していた。

しかし、これら部品はメーカーが異なり、それぞれの高さや幅も異なる。そのため、組立工程での微調整が必要になり、生産の自動化が難しく、職人の手作業だけで対応し労力がかかっていた。

同製品は構造そのものを一体化しただけでなく、これらのパーツも自社独自のものに変えることで、薄型化を実現した。「開発スピードもアップし、既存から脱却する新たなものづくりにも貢献できます」と、井上高志技術部長は話している。

完全なオーダーメードで、最小10ミリ×40ミリメートルサイズのパネルも製造可能だ。屋外や厳しい環境でも使える耐候性のほか、操作ボタンの耐久保証が100万回など、使用環境や条件に応じた高機能パネルも製作できる。

「介助ロボットやパワースーツのような、操作パネルの取り付けが難しいものへの引き合いも増えています」と井上部長。今後は時代とともに進化する素材技術やニーズの変化に対応しながら、機能性をさらに向上させる予定だ。

(2023年10月号掲載)