海外注目企業・海外ベンチャー

超小型カメラの開発に注力

あらゆる産業でカメラの小型化・高性能化の必要性が高まっている。ものづくりの現場では、生産ラインでのモニタリングや製品の検査に必要となる。医療現場でも内視鏡などの機器に、超小型カメラは欠かせない。こうした幅広い用途に対応するため、小型カメラを手掛ける升洋資訊(MISUMI Electronics、台湾・新北市)は開発に力を入れている。

直径1.6ミリの製品も開発

1982年に創業。当初の事業領域はハードウェア部品だったが、カメラ市場の技術進展に関心が高まり、産業界を訪ねて研究を重ねる。小型化に向けて独力で技術を開発してきた。

現在の従業員数は40人だが、製品はカスタマイズを含めて1万のラインアップを誇る。2015年には、CMOSセンサーを活用した直径1.6ミリメートルのカメラの開発に成功した。

小型化と高解像度の機能両立を実現するのは簡単ではない。廖鎮峯・総経理は「小型カメラは条件も使用環境も特殊なので、顧客と相互にテストを重ねて機能を調整します」。ときには開発費用を分担しながら、試行錯誤を繰り返す。

製品の投入先は海外市場が大半。米GE、仏エシロールなどとの取引実績がある。14年には半導体商社大手、加賀電子にカメラモジュール2万5000台を納入している。

「顧客からの需要を満たすため、常に小型化に挑戦していきます」と廖総経理。「日本企業は技術力がある」として、開発分野で協力を探りたい意向だ。

(2023年11月号掲載)