住まいの産業 / ライフサイエンス

設置型授乳室、急速に普及

Trim(トリム、横浜市中区海岸通)が開発した、工事不要の設置型授乳室「mamaro(ママロ)」が急速に普及している。2015年11月に起業したベンチャー企業だが、今年3月時点で全国の商業施設や駅など、計240カ所以上に設置。2年後には1000カ所設置を計画する。室内での授乳ができるベビーケアルームで、街の至る場所に置かれれば、子育て中のママ・パパたちが気兼ねなく外出できるという。コロナ禍でも外出を余儀なくされるママたちにとって「完全個室で3密も防げる」として、ニーズが高まっているようだ。

2年後全国1000カ所に

mamaroは、プライバシーを守りながら授乳や離乳食、おむつ交換などができる小型ベビーケアルーム。1畳分ほどの室内に、ソファーや情報を発信するためのモニター、コンセントなどがそろっている。ママだけでなく、パパも一緒に入れる。

完成品をそのまま持ち運ぶため、施設内に工事不要で置ける。また、完成品を運べないような狭い施設でも、簡単に組み立てて納品できる。同社によると、従来の授乳室と比べると、工事不要のため、10分の1程度のコストで導入できるという。

また、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、抗菌加工モデルも開発。光触媒コーティングや空気清浄機などを内蔵したオプション販売も可能だ。

すでに全国の商業施設や駅、クリニック、カフェ、道の駅などに設置。同社の売上高も20年度は前年度比で倍になるなど、成長を遂げている。

同社の長谷川裕介社長は「先に授乳してから買い物に出かけるママたちもいますので、今後はスーパーなどにも積極的に導入提案をしていきたいです」と話している。

導入価格は3年レンタルで月額2万1000円から。国内だけでなくアジア展開も視野に入れているという。

(2021年4月号掲載)