金属加工・樹脂加工・その他加工

複雑形状部品のバリ取り受託

 

電磁弁メーカー、日電工業(藤沢市小塚)は、形状が複雑だったり、奥行きがあったりして、人手によるバリ取りが難しい部品を、同社の専用設備で処理する受託サービスを始めた。同社が保有する各種設備を使って、中小製造業の課題解決につなげる「ものづくりサポート事業」の一環。設備でバリ取りした後は、表面処理(洗浄)まで行っていく。

専用設備で処理する受託サービス

同社は現在、バリ取り加工用にサーマルデバリング加工設備を1台持っている。同加工はチャンバー内で可燃性ガスと酸素の混合ガスを爆発させることで、ワークの微細なバリを短時間で除去するもの。ワークを傷つけない利点があり、現在、同社の生産ラインで採用している。複雑形状のみならず、部品内部のバリ取りにも向くという。また、酸とアルカリによる金属表面処理の自動装置も保有しているため、バリ取り後は同装置にかけていく。

同社ではバリ取りの受託に当たり、まずはサンプル品をもらい、同社でできるかを検証。可能となれば部品の形状を見て単価を決めていく。「品質検査同様に、バリ取りも自動化することで品質向上が見込めます」と、長澤兼統括マネージャー補佐は話している。

今回の受託事業のほか、検査装置などのオーダーメード生産も受け付ける「ものづくりサポート事業」全体で年間1億円の売り上げを目指している。

なお、同社は水や空気、油などの流体を制御する電磁弁の製造販売企業。エアコン・空調機に組み込む電磁弁を中心に、数百種類もの製品を展開する。

(2021年7月号掲載)