26人いる社員の9割は知り合いや口コミによる入社。最高齢は40歳が1人だけ…。採用にコストをかけず若い人材を集めているのが、Daikichiグループ(大和市中央林間)の特色だ。「社員は仲間。失敗しても、自分がフォローできることだったら何でも任せます」。そんな大吉浩社長の姿勢が、挑戦意欲のある若者の共感を呼んでいるようだ。

不動産事業にも進出

地上アナログ放送が終了し、ある日突然テレビが真っ暗に―。そんな話があちこちで聞こえたのは2011年のこと。携帯電話などの急速な普及により、地上アナログ放送からデジタル放送へ全国一斉の切り替えが行われた。

当時、ケーブル通信事業の営業職をしていた大吉社長は、経営者の「君ならできるよ」の言葉に背中を押され、独立を決意。ライフライン事業のDaikichiコミュニケーションを設立した。

営業をしていると、ライフラインに関する顧客からあらゆる相談を受けるようになる。「電気はどこがおすすめ?」「ガスは?」。ニーズに応えるため、次々と事業を拡大。17年には不動産に関する相談を受けようと、不動産関連事業の「Daikichiホーム」も設立した。

「社員は、身内、知り合い、口コミで入った人ばかり。仲間だから、大事にします」と、大吉社長。以前はハローワークや求人情報誌などで人材を募集したことがあったが、なかなか定着はしなかった。一方、ツテや口コミで入社してきた人材は定着率が高いという。

3月には自社ビルが完成したばかり。昨年のコロナ禍で大企業を中心にテレワーク導入が加速しており、不動産ニーズの高まりを背景に、県央や都内への拠点拡大も予定。10年以内には50人規模まで拡大していきたい考えだ。

(2021年7月号掲載)