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自動車用「超高性能潤滑油」を展開

パワークラスター(川崎市麻生区はるひ野)が開発したエンジンオイル「BiLENZA(ビレンザ)漆黒」が注目されている。エンジン内部の金属同士がこすれたり、極度の加重がかかる部分を保護したりする能力が、既存品と比較して飛躍的に高いことから、ユーザーに「神オイル」と呼ばれているという。

製造業への販路拡大も

自動車用のほか、オートバイやカート用オイル開発・販売に特化した企業。新商品「漆黒」は、航空・宇宙部品や戦車に使われる部品など、故障が許されない部品の潤滑剤に使われる「二硫化タングステンナノ粒子分散添加剤」を使用。有機モリブデンやボロン添加剤、アルキルナフタレンなどを独自配合した「超高性能潤滑油」という。

もともとゴーカートレーサーだった山本清社長が、自身のためにエンジンオイルを開発始めたのがきっかけ。モニター結果によると「音が飛躍的に静かになった」「満タンで650キロメートル走る車が900キロメートル近く走行できた」など、燃費や乗り心地の向上が報告されたという。

日本では、自動車メーカーの純正エンジンオイルが一般的。オイル交換の頻度も少ない。それに対し、山本社長は「寒い地域や暖かい地域、乗り方などによって、エンジンオイルを変えると燃費も乗り心地も変わります」と力説する。

今後は製造業への販路拡大も進める。「充電スポットの少ないEV車のギアオイルに使えば、燃費アップによりバッテリー寿命が延びます。クルマ以外にも、金属金型や酷使する道具、部品にも使えると考えています」と話している。

(2023年8月号掲載)