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老舗寝具店、「眠りの相談所」に進化

1876(明治9)年創業の寝具専門店、半ざむ(川崎市多摩区登戸)がリニューアルオープンし、寝具の「ソリューション型専門店」へと変ぼうを遂げている。店舗リニューアルも完了し、主力のマット類を1カ所に集約。あらゆる商品を比較しながら購入できるようにしたほか、「眠りの相談所」として睡眠を科学的に解析するサービスも開始。悩みの解決につながる商品を提案していく。

寝具の「ソリューション型」へ

明治時代に総合雑貨店としてスタート、佐保田篤社長で7代目。創業当時は綿や生地の卸に力を入れていたが、時代に合わせて140年間変化を続ける。

現在、寝具専門店としては神奈川県内最大級の売り場面積を誇り、県外からも客が多く訪れるという。

佐保田社長の代になり、マットレス販売にも注力。競合との違いは、約40種類という品ぞろえの多さ。うち3種類は自社商品だ。「これだけたくさんのものを一度に比べられる店はなかなかありません」(佐保田社長)と胸を張る。

街の寝具専門店が減った今、量販店の布団コーナーで寝具を見ても、違いが分からない人も少なくない。佐保田社長は「自分にとってのベストな寝具がどれかを知りたいと来る人がほとんどです」と語る。

また、同店では「睡眠改善インストラクター」や「スリープマスター」といった資格ホルダーが常駐。来店客にとってベストな寝具を提案できるよう、徹底的に研究するなど、大手との差別化を図っている。

■マットレスのサブスクも

今回の店舗リニューアルでは多種多様なマット類を一堂に集め、実際に“試し寝”してもらうベッドを増やしつつ、1階の座敷をフラットにして回遊性を高めた。

「睡眠の解析サービス」も開始。活動量計で日中の運動量や睡眠時の寝返り回数、寝る向きを把握し、快眠生活に向けたアドバイスをしていく。

今後はOEM(相手先ブランドによる生産)商品を増やし、マットレスのサブスクリプション販売も予定。「しっかり眠る文化を浸透させる一助になれば」と話している。

(2024年4月号掲載)