髙瀬総合法律事務所(相模原市緑区橋本)は、中小・小規模企業の経営者を対象に、法的な疑問を迅速に解決してもらうため、AI(人工知能)を活用したチャットボットを導入した。同事務所のホームページ上から誰でも利用できる。24時間365日、知りたいことがあればチャットボット上に質問すると、蓄積された事例からAIが最適な回答を探し出す。解決できない場合は、弁護士による対面・オンライン相談にも対応する。
HP にチャットボット導入
法律事務所でチャットボットを導入するケースは珍しいという。「経営をする上で、法律上の課題はたくさん出てきます。そんな時に少しでも早くヒントがつかめ、安心感にもつながればという思いで開設しました」と、髙瀬芳明・代表弁護士。
質問できる内容は、技術契約や知的財産権、M&A、労務トラブルなど多岐にわたる。今後も順次、事例を増やしていくという。
また、チャットボットとは別に、HP上に「中小企業が直面する事例的Q&A集」も新設。中小製造業に多い知的財産関係のテーマを専門弁護士が解説している。一部は無料で閲覧できるが、全文は顧問契約している企業のみが閲覧できる仕組みにした。
「法務部などを置かない中小企業にとって、他社との共同開発時などには必ず知財リスクが存在します。中小企業が大手と何らかの技術契約を結ぶ際、知財の知識が乏しいために、結局は大手に有利な条件となってしまうケースも目にします」(髙瀬弁護士)と説明。知財戦略の必要性を訴えている。