MTA合金(川崎市川崎区東田町)は、金属3Dプリンター造形の受託サービスを始めた。アジアにある提携工場に専用の金属3Dプリンターを複数台設置。独自開発した鉄と銅のハイブリッド合金をはじめ、チタンやSUS(ステンレス鋼)などにも対応する。金属3Dプリンターを使えば、金型の設計と製作などが不要になるため、たとえ海外協力工場で製作したとしても大幅な納期短縮やコスト削減が実現できるという。
MTA 合金、海外と連携しコスト・納期で差別化
鉄と銅の比率が9対1のオリジナル金属粉末「MTA9100-GP20」などを使用する。0.2ミリの極薄・極細で、複雑形状の造形ができるため、コネクターなどの精密電子部品の試作を想定する。金属3Dプリンターの課題である「面粗度」も、研磨で改善できるという。
先に大手メーカーの部品を試作したところ、「形状」「面粗度」「めっき性」「強度」といった品質面でも問題がなかったという。このほか、オリジナル金属粉末以外の金属材料の依頼にも応じる。
同社によると、通常の試作品製作は、まず図面データをもらい、そこから試作品に対応する金型を設計、製作。完成後のトライ成形を経て、ようやく試作品作りに着手する。
それに対し、同サービスだと「金型レス」で図面データから直接製作できる。
「金型を使う場合と比べ、3分の1の短期間で製作できます。しかも試作品にかかるトータルコストは10分の1程度で済みます」と、柴田徹郎社長は話している。