電子機器の組み立て・配線を手掛けるglowf(グロウフ、相模原市中央区横山台)が、人手不足の製造業と福祉施設をマッチングさせる新事業「みんなの代行」を始めている。構築したポータルサイト上に、軽作業を外注したい製造業が案件を登録すると、同社が作業工程を精査し、分業のできる福祉施設につないでいく仕組み。今年1月のスタート以来、4カ月間で150件を受注した。
glowf、製造業とのマッチングサイト開始
中小製造業の人材は一人で何でもこなせる「多能工」が占める傾向が強い。ただ、他業界を経験した松石久則社長には「高い専門性を持つ職人にとっては、もったいないと思える作業も多い」と感じられたという。
そこで、同じグループである福祉事業所などと連携。軽作業などは福祉事業所が担い、専門技術が必要なものは職人たちに特化してもらう仕組みを考案。そして、他の福祉事業所や、人手不足で困る地域の中小製造業も巻き込もうと、サイト上のマッチングシステムを構築した。
マッチング対象は、コスト面などを理由に、海外に委託していた組み立てや軽作業。ただし、製造業の世界では、納期や品質、コスト管理が厳しく求められるケースがあるため、初回案件に限っては同社が受託する。
その後、作業内容をつかみ、工程を分析した上で問題なければ福祉事業所につなぐ。その際、同社が引き続き窓口になり、業務手順書を作成。作業監督の役割も担っていく。
「コロナ禍で海外生産が止まり、ウクライナ戦争によって物流にも支障が出ていることから、相談は多いです。福祉施設と連携して分業すれば、より多くの困っている企業の役に立てます」と松石社長。今後、地域の製造業に普及させていきたい考えだ。