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神奈川と韓国、中小企業の交流 エレクトロニクス分野で協業探る

韓国の中堅・中小企業による連携組織「素部装技術融合フォーラム」は、2025年1月に東京ビッグサイトで開催されたアジア最大のエレクトロニクス展示会「ネプコンジャパン」に共同出展した。素材(素)・部材(部)・装置(装)の3分野のいずれかで独創技術を持つ企業が集まり、日本企業との連携も希望する。今回は出展と同時に、TNPパートナーズ(横浜市港北区)が誘致し、かながわ経済新聞(同)の協力による神奈川県内の中小企業との交流も実現した。

半導体部素材の企業が訪日

ネプコンでの共同出展ブース

世界の半導体市場で存在感を示す韓国の関連産業。そのサプライチェーン(供給網)を構成するのが、素材・部材・装置の3分野となっている。

同フォーラムはこれらの業界に属する韓国の中小企業が加入する民間主体の組織で、現在は約300人(計167社、大学など研究機関は約30)が会員になっており、月1度、セミナーや交流会を実施している。

日本企業との商談も

今回、同フォーラム会員企業17社が「ネプコンジャパン2025」に共同出展。来場した日本企業関係者に向けて各社の技術をアピールした。

日本滞在中は神奈川県内の中小企業とも交流。グローバルに展開する締結部品製造業のミズキ(綾瀬市)の本社工場、2024年に「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞(審査委員会特別賞)に選ばれた産業用ヒーター製造、スリーハイ(横浜市都筑区)を見学、意見交換を行った。

締結部品のミズキを訪問

ベンチャーキャピタルのTNPパートナーズの誘致により、日韓ビジネス交流会も横浜市港北区内で開催された。

日本側からは、地元・横浜北工業会のほか、理化学機器製造のバイオクロマト(藤沢市)や有機EL(OLED)基板関連技術を手掛ける厚木ミクロ(厚木市)、ロボット関連企業のMEMOテクノス(相模原市)、自動化装置の有井工業(同)などが参加。日韓企業がプレゼンを行った後、交流会に移り、商談に発展する場面もあった。

スリーハイでの意見交換

同フォーラムの成学慶(ソン・ハクギョン)運営委員長(サムスン電子元専務)は「引き続き来年も交流の機会を設けていきたい」と話していた。

(2025年4月号掲載)