インフラの老朽化対策が課題となる中、エム・キュービック(川崎市幸区小向西町)による非破壊検査ソリューション事業が注目されている。超音波や放射線、エックス線といった多種多様な技術を活用し、「モノを破壊せず内部を精密に調べる」という検査ニーズに幅広く対応する。社長と社員たちが、関連する国家・民間資格の取得数を年々増やしていることがソリューションを可能にするという。

非破壊検査でソリューション実践

同社が手掛ける非破壊検査は、主に橋や高速道路などのコンクリートの内部の状態を明らかにするもの。インフラ以外にも老朽化した設備や大規模災害に備え、あらゆる検査依頼が絶えないという。そのため、資格取得により技術の幅を広げることで、新規顧客を次々と獲得している。

「(特定の技術や領域に)固執せず、新技術や必要となりそうな知識を積極的に身に付ければ、世の中のニーズに対応できます」と三上浩一社長。エックス線作業主任者、ボイラー技士、インフラ調査士、潜水士、超音波やドローンに関連資格...。自身も数えきれないほどの“多資格ホルダー ”だ。「法規制の改正や業界のニーズが変わる度に新しい資格に挑戦しています」としており、トップが進んで資格に挑戦する姿勢が、社員たちにも波及しているという。

検査にとどまらず、結果を見極め長く持たせるための改修工事の方法までも提案。「ソリューション」として同業他社との差別化に成功している。

三上社長は「時代が変化しても世の中に必要とされる、オールマイティーな企業を目指しています」と話しており、ニッチながらも独自路線を歩み続けている。

(2023年2月号掲載)