金属加工・樹脂加工・その他加工

研削加工、1000分の1ミリ台を実現

砥石で削り精度を出す「研削加工」の技術を、光春製作所(大和市深見東)が半世紀以上にわたって磨き続けている。

他の工作機械の性能向上や後継者不足などにより、専業とする企業が減っている技術だが、同社はNC研削盤を導入し、“手動+機械" の工程を実現することで、コンスタントに受注を獲得しているという。

円筒の表面や内面、板状の研削を得意とする。「研削加工は、いわば仕上げの加工をするイメージです」と後藤光之助社長。工場内の研削盤20台を社員2人で使いこなす。

ミクロン単位の研削技術

自動車や建設機械などで使われる油圧シリンダーのように、こすり合わされる部品などでは、高い精度が求められる。工場では職人技によるミクロン単位の研削技術で、手のひらサイズの小さな部品からクレーンを必要とするようなものまで、1000分の2ミリの公差にまで仕上げることが可能だ。

地域では廃業する同業者が増えているが、「高精度」に対する顧客のニーズは変わらない。廃業した工場の代わりに、同社で仕事を引き受けることも頻繁にあるという。

コロナ禍でも工場は常に忙しく、最近では、金属3Dプリンターで加工した部品への後処理として、研削を依頼するケースも増えているという。

(2021年10月号掲載)