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着るエアコン、工場の猛暑対策 試験導入で効果を検証

プレス部品製造、野口工業(綾瀬市小園)は、夏場の工場内で働く従業員の暑さ対策として、身に着けられるウエアラブルエアコン「コモドギア」を試験導入した。作業環境の改善や熱中症リスクの防止につなげる。製造元の富士通ゼネラル(川崎市)と青山学院大学との3者連携で、1カ月間、有効性も検証していく。

電気で冷却、熱中症も防止

コモドギアは首にかける冷却部と、身に着けるラジエーター・バッテリー部、両者をつなぐチューブで構成。本体とは別にバッテリーなどを装着するオプション装備品も用意する。今回、同社ではワークベストタイプを採用した。

本体には「ペルチェ素子」と呼ばれる半導体プレートを備え、電気を流し冷却する。エコモードとノーマルモード、フルモードを備え、温度調節ができるだけでなく、冬場は暖房としても活用できる。

夏場の工場内作業では、従来、ポータブルクーラーを活用してきた。ただ、効きを良くするために窓を閉めると、工場内に部品製造に伴う粉じんが舞ってしまう。暑くても窓を開けざるを得ず、室温30度台後半の環境下で作業せざるを得なかったという。そのため、コモドギア導入による改善効果を期待している。

今回の実証実験では、3者連携で暑熱対策の有効性を検証。従業員20人がコモドギアを着用し、実際に体温や心拍数、心拍変動、活動量などのデータがどう変化するかを検証していく。

同社の野口博永社長は「結果が良ければ全ての希望者に導入していきたいです」と話している。

(2024年8月号掲載)