地方移住や旅先に滞在しながら仕事をする「ワーケーション」を誘致するため、ヤブタ建設不動産(真鶴町真鶴)が、シェアオフィス事業に注力している。小田原や箱根といったブランド観光地に囲まれた真鶴は、観光客の平均滞在時間も短いというが、責任者の永島隆儀さんは「まちづくり条例で古き良き街並みを残しているのもここの魅力。インバウンド客の多い観光地と張り合おうとは思いません」。コロナ禍を契機に人気の高まったライフスタイルを通じて、地元経済の活性化を目指す。
シェアオフィス事業注力
サテライトオフィス「BLUE TREE(ブルーツリー)」とシェアオフィス「月光堂」を運営。ゲストハウスに宿泊しながら、日中はコワーキングスペースで仕事ができる。
仕事の合間には、海沿いの保安林で森林浴をしてリフレッシュしたり、海で釣りをしたりするなど、旅先のような時間も過ごせるという。
県内でも過疎地とされる真鶴。若者の町外流出が止まらず、人も仕事も減りつつある。そこで永島さんら地元の若者が立ち上がり、働く場の創出などによる地域活性化の取り組みを進めている。
ワーケーション利用者の滞在でも、あえて同社の施設だけで完結せず、近くの飲食店や小売店を使ってもらう。都心にはない、ひと昔前のような人との触れ合いもある“真鶴らしさ”を感じてもらうためだ。
真鶴を訪れるのが初めてという人には、その人のニーズに合った過ごし方を提案してくれる「コンシェルジュ」も設置。やりたいこと、行きたい場所を相談すれば、お薦めの「真鶴時間」を提案してくれるという。