金属加工・樹脂加工・その他加工

県内唯一の「製袋機」専業メーカー

ムラタ(寒川町一之宮)は、県内唯一の「製袋機」専業メーカーだ。ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)製の包装資材の用途は、スーパーのレジ袋から、通販のエアー緩衝材、生鮮野菜のパックまでと幅広い。脱プラスチックの流れやコロナ禍にあっても、製袋機の需要は底堅く推移しているという。

ムラタ、コロナ影響受けず需要底堅く

社員数9人ながらも、製袋機の設計から部品加工、アセンブリー、プログラミングまで、ほぼ内製化する。包装資材は客先によって求められる形状、機能が異なるため、製袋機は全てオーダーメード生産だという。

現在、多くの製造業が直面する部品不足の懸念もない。米リーマン・ショックや東日本大震災で部品供給が滞った経験から、種類が異なる製袋機であっても、使用部品の多くで標準化を進めた。年初から需要を予測し、まとめて仕入れているため、在庫は十分にあるという。「どんなことがあっても耐えられる企業にするのが目標です」と村田洋介社長は語る。

設立は1995年10月。当初は同業他社が10社ほどあったが、時代とともに淘汰(とうた)が進み、同社だけが残った。

価格競争とは一線を画し、機能性材料に対応した製袋機の開発にいち早く取り組んだことが奏功したという。

現在はEVのリチウムイオン電池や医療用フィルム向けなど、特殊用途の製袋機の開発にも注力する。

■月2回のアイデア検証

同社は月2回、午前中に全社員が集まり、一人一人に業務上の不満点などを語ってもらい、解決策やアイデアを話し合う場を設けている。ここで決まったことは社内の「最優先事項」として、役職や上下関係を問わず、誰でも実行しなければならない“ルール”となっている。すでに5S活動や図面の手直しなど、数多くの業務で成果を上げているという。

(2021年11月号掲載)