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異業種コラボでコンプリートカー開発

カーパーツ開発、リベラルコーポレーション(川崎市高津区千年)が、スバルの人気SUV・新型フォレスターをアウトドア志向にカスタマイズし、コンプリートカー「スバキャン」として商標登録した。他社と進めるコラボ事業の一環。「FULLCLIP(フルクリップ)」のブランド名でアウトドア用かばんの製造販売を手掛けるアド(東京都葛飾区)と共同で製作した。この秋には発売予定という。

内装に迷彩柄生地を使用

同社はスバル車向けを中心とした自社ブランド「LIBERAL(リベラル)」で、パーツ開発などを展開するファブレス企業。エアロパーツなどの外装品や高級車の内装も手掛ける。

本社ビルには、海外直輸入のカーパーツを取り扱う店舗も構えており、ディーラーでは手に入らない品を求め、静岡や愛知からも来店があるという。パーツは中国や台湾、北米市場でも販売している。

スバル車は日本では走行目的の愛好家が多い一方、北米などでは雪道走行やアウトドア向けの性能が評価されており、中でも「フォレスター」の人気は高い。

今回開発した「スバキャン」の内装には、フルクリップが取り扱う米クレイ・プレシジョン社の迷彩柄生地を使用。釣りやバーベキュー、アウトドアスポーツなどを趣味とする人向けに、水や汚れにも強い仕様とした。

■きっかけはコロナ禍

コンプリートカー開発のきっかけは、コロナ禍。感染拡大とともに、マスクや消毒液、医療用ガウンなどが全国的に入手困難となった中で、同社は自社の調達網を生かし、世の中で不足している衛生用品調達などをする「エイド事業」を開始。

すると、「こんなものはないか」「こんなことができないか」と、衛生用品以外に、クルマにまつわるさまざまなリクエストが寄せられるようになった。

そこで、衛生用品とは別に、クルマに関わるモノ・コトをつなぐ「M-AID(エム―エイド)事業」も始めた。他社とも積極的にコラボし、クルマに関連する新しいモノづくりや、お困りごと解決を始めるようになったという。

「M-AIDのMは『モービル』の頭文字です。タイヤのついているモノについて、さまざまな企業とコラボし、商品企画や協業、PR、開発などを探っていきたいです。シーズではなくニーズを一緒に生み出していきたいです」と、青木康洋社長は話している。

第二弾として、高級外車を意識したカスタムコンプリートカーの開発も手掛けているという。

(2022年7月号掲載)