住まいの産業 / ライフサイエンス

男性腰痛ケア、整体パンツで支援

 

整骨院・整体院や健康グッズ開発を展開する、ボディスプラウト(川崎市宮前区宮前平)が、日ごろの腰痛ケアに着目して開発した男性用整体パンツ「NEW ZERO(ニューゼロ)」がヒットを飛ばしている。同社の小林篤史代表は高校時代に名門校から甲子園にも出場したが、度重なる故障や腰痛に悩まされ、野球選手の夢を諦めた経験を持つ。「あの時、ケアという概念があれば、今でも続けていられたかもしれない」との思いが、開発につながった。

長時間装着を想定したケア製品

スポーツ時に動きやすいように装着する機能性パンツや、腰痛でつらい時に装着するコルセットなどは市場にもあるが、この商品は「治りやすい環境づくり」につなげてほしいと、長時間装着を想定して開発した。

オリジナルの「V字パワーネット」と呼ばれるバンドが、仙骨を支え骨盤をサポートする。これにより、腰の反りを軽減させて負担を減らすという。デスクワークや立ち仕事、ゴルフなど腰を使うスポーツ、長時間運転など、腰への負荷が高い動作を頻繁にする人を想定してデザインした。

腰痛サポート機能を重視した前とじタイプと、下着として使いやすい前開きタイプの2種類をラインアップ。窮屈さやムレが気にならないよう、生地にもこだわったという。

2019年6月に販売を始め、同年秋には、前とじタイプを加え「NEWZERO」としてリニューアル。シリーズ累計13万枚を販売するまでになった。

■諦めた夢、自社製品で応援

5月に整骨院開業15周年を迎えた小林代表はこの夏、スポーツの学生を応援するキャンペーンに乗り出す。学生最後の大会や試合を控えた高校3年生男子が対象だ。公式ホームページで、打ち込むスポーツの種類、大会にかける思い、所属するチーム(学校名)を入力すると、NEW ZEROが1枚プレゼントされる。

契機は、ある親からの「高校球児の息子が腰痛で悩んでいる」との一言だった。「私がプロ野球選手の夢を諦め、治療家としての道を歩み出したのは腰痛がきっかけでした。夢に挑戦する若い人たちの力になれたら…」と、小林代表は語っている。

サイズはS ~ 3Lまでの5種類、価格は1枚7590円。自社サイトや治療院などで販売している。昨秋からは海外展開もしている。

(2021年7月号掲載)