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生産設備の故障「予兆」示す

台湾IoTベンチャー、 智慧貼紙(Smart Tag、台北市)は、工作機械などの工場内の設備に対し、独自開発した名刺の約半分サイズの特殊タグを貼り付けるだけで、設備異常の予兆がつかめるシステムを開発。日本展開も見据えている。

智慧貼紙、小さなタグを貼るだけで

絶えず動かし続けなければならない生産設備は、一度故障すると、エンジニアが到着するまでに時間がかかり、その間の生産活動は停止してしまう。ただ、その予兆をつかんで対策をするのは難しいという。

張焜傑CEOは「工場設備も人間と同じように、だんだん体が疲れて悪くなってきます」と語る。

同システムは、マイナス20度~ 85度までの耐性があり、設備の表面に貼り付けられる特殊タグセンサーを使用。設備稼働時の振動と温度、湿度を常に計測しながら、データをタグからエッジ計算機に転送。独自開発のアルゴリズムで正常時と比べ、異常なパターンをシステム上で見える化。故障を予知し、メンテナンスなどを促す。「エッジAI(人工知能)による学習期間は平均1週間以内という。

設備ごとにタグを貼り付ける場所が違うため、導入に当たっては同社がコンサルしていく。すでに台湾では半導体や石油化学関連工場などで採用されているという。日本での普及も目指しており、現在、代理店などのパートナーを探している。

なお、同社は10月13日からの台湾展示会「TIE」に出展する。

(2022年10月号掲載)