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環境配慮の印刷企業目指す

世界中で脱炭素化への取り組みが加速する中、印刷業のシュービ(横浜市都筑区川向町)は、環境経営を進めカーボンオフセットに挑戦している。2050年を目標年として「温室効果ガスの正味排出量ゼロ」を目指すネットゼロの取り組みが、大手企業を中心に進められているが、同社も積極的に着手。環境に配慮した資材調達をしたり、設備を導入したりしている。

従業員の健康にもつなげる

「(2050年は)まだ遠い先の話ですが、大企業からの受注でも努力義務とされているケースが多いです。だからこそ今、できるところから本気で取り組めば商機につながります」と、村田俊夫社長は語る。

印刷業界では、ウェブで簡単に印刷物を発注できる「オンデマンド」が普及しており、価格競争が激化する。「安くて大量に」を売りにする企業も珍しくない。

そんな流れには乗らず、同社は一線を画す。事業活動によるCO2排出量を算出し、その低減に取り組む。具体的には、森林認証紙やバナナペーパーなど、環境配慮の用紙、インクを使用した印刷に着手。社用車のEV化や環境負荷が少ない資材を積極的に購入する「グリーン購入」もしている。

■競争力アップも

環境配慮型の設備投資も進める。例えば、省エネ型の印刷機や、石油系溶剤を含まない「ノンVOCインキ」などを導入。これにより、環境配慮につながるだけでなく従業員の労働環境の健全化にもつながっているという。

「設備の環境対策は働く人たちの労働環境改善にもつながります。大企業を中心に発注企業に環境対策を求める動きは進んでいますし、会社として取り組めば競争力アップにもつながるはずです。三方よしです」と、村田社長。今後もこうした取り組みを加速させる考えだ。

(2023年10月号掲載)