住まいの産業 / ライフサイエンス

父創業の企業と「相乗効果」生み出す

先代から受け継いだ経営資源を活用して若手後継者(アトツギ)が新しいことにチャレンジする「ベンチャー型事業承継」が注目される中、モリショウ・不動産(愛川町)は、モリショウ・不動産の創業者の父の会社と連携した事業展開に挑んでいる。

森政雄社長は1998年12月、創業に参加。自身の父、雄彦氏が経営する住宅メーカー、森材木店(同)をすぐに継がなかった。「地べた(土地)がないと住宅は建ちません。だったら不動産を扱うことで、(住宅メーカーである)父の会社と連携できるのではと考えました」

不動産売買や仲介、賃貸管理のほか、父の森材木店とタッグを組んで住宅も販売。親子のグループで、土地の仕入れから住宅までを一貫してできるまでになっている。

一部物件の管理を無償で

住宅やマンション、駐車場の一部物件の管理を無料で代行するサービスも始めている。入居者募集や契約、更新などでオーナーを支援する代わりに、物件に同社の看板を設置してもらう仕組みだ。

森社長は「看板は当社のPRになります。また、入居希望者が来れば、当社の仲介にもなりますし、賃貸を出て住宅を購入したいお客さんがいたら営業もできます。無償で管理しても、後々のメリットはたくさんあります」と語る。

現在、県央地域を中心に約500の物件を管理。「将来は神奈川一の不動産屋になる」という目標も掲げる。

(2022年2月号掲載)