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溶接機の輸出拡大、円安も追い風

向洋技研(相模原市緑区橋本台)が製造販売するテーブルスポット溶接機「マイスポット」が海外で活躍している。1987年の発売以降、米国やドイツ、中国など海外15カ国に納入され、国内外での販売台数は累計4000台に近づいているという。「円安の流れで当社の装置を『買い』と即決する海外企業も多いのでは」(甲斐美利社長)と語り、今年度の海外売上比率は20%を見込んでいる。

欧米やアジアの15カ国に

マイスポットはテーブル型で多関節ロボットアームを使い、奥深い箱物の溶接作業ができる。コピー機や配電盤、自動販売機の筐体など、用途も幅広く、2012年には溶接時間が0.01秒という「高速溶接技術」を開発した。

焼けない(溶接痕が残らない)スポット溶接は世界初であり、溶接痕もなくきれいに仕上げられるため、マイスポットの全シリーズに標準搭載されているという。

■トップセールス

発売以来、国内と並行して海外市場の開拓にも注力。積極的に海外展示会に出展し、甲斐社長自らトップセールスを重ねてきた。

「海外展示会に出ると、現地企業はもちろんですが、視察にやってくる日本企業からも注目されます。その結果、国内での販路の拡大につながることもあります」。さらに、「海外ではどんな国にも、現地に住んでいる商社OBなどの日本人がいます。そうした人たちとつながりを持ち、海外企業との窓口として活用しています。商習慣の違いで直接取引はリスクがあるためです」と述べている。

現在の円安を背景に海外企業からさらに注目されるとしており、今年度もタイや米国などでの販売を強化。年3回ほど海外展示会に出展する計画という。

(2024年2月号掲載)