山一(川崎市川崎区日進町)の富士宮工場は、静岡県富士宮市で半世紀以上にわたり金属加工の技術を磨き続けている。グループで製造の中核を担う存在として、エアコン・冷凍冷房用の心臓部とされるコンプレッサー部品をはじめ、新幹線や一般列車用の冷房機フレームなどを生産。取引先には大手企業が名を連ねている。
熟練職人の技術が強みに
グループで製造の中核を担う存在として、エアコン・冷凍冷房用の心臓部とされるコンプレッサー部品をはじめ、新幹線や一般列車用の冷房機フレームなどを生産。取引先には大手企業が名を連ねている。
富士宮市内に2工場を構え、第一工場は精密板金加工、第二工場ではプレス加工を手掛けている。
富士宮工場の強みは、熟練職人による高度な加工技術。油圧による深絞り加工は、創業当初からエアコン部品のアキュムレータ製造で培われ、1990年代には世界シェアの7割を占めていたという。
また、職人による薄物(板厚0.6ミリメートル)のTIG溶接、R加工(R面取り)も得意とし、「1枚の板から最後まで」(後藤英樹工場長)という一貫製造体制を整えている。少量生産や小さな板金部品も積極的に受注し、図面がなくても製品化までサポートしている。
最近では、さい銭箱の盗難に遭った神社に対し、ステンレス製さい銭箱を寄付したところ、腐食しない特性が大変喜ばれた。この経験から「今後はあらゆる木製品をステンレスに置き換える提案もしていきたいです」(後藤工場長)と話している。




