地域の話題のお店

洋菓子で「幸せ」提供したい

鎌倉・由比ヶ浜大通りから少し入った閑静な住宅街に洋菓子店「菓子巡り」がオープンした。市内のカフェでパティシエとして経験を積んだ石垣桃子店主が開業し、一人で切り盛りする隠れ家的な店だ。

鎌倉・菓子巡り、女性店主が日々奮闘

店内にはキャロットケーキやベイクドチーズケーキといったケーキ類のほか、焼き菓子など計16種類が並べられている。全て石垣店主の手作りだ。「特別な日だけではなく、日常的に食べてもらえるお菓子を目指しています」(石垣店主)とのこだわりで、オーガニックなどの身体にやさしい素材も選ぶ。

静岡県清水市出身。地元の製菓専門学校を卒業してから2年後、単身で鎌倉に移住。「鎌倉の心地よい空気が好きになりました」と、市内のカフェでパティシエとして腕を振るった。「そのお店は、お客さんとの距離感が近く『おいしかった』と直接言ってもらえることが何よりの喜びでした」。

やがて地元・鎌倉のお客さんともっと近くで接したいと考え、開業を決意。コツコツと資金を蓄え、オープンにこぎつけた。

観光地の鎌倉にあって、あえて住宅街に立地した。「鎌倉には地元密着の文化があります。それを大切にしたいです」と考え、観光客よりも地元客をターゲットにしたからだ。

まだ開業したばかり。菓子作りから店舗運営までを1人でこなさなければならない。「人は、お菓子を食べると幸せな気分になります。その時間を提供できることがやりがいです」と、日々奮闘している。

(2022年11月号掲載)