住まいの産業 / ライフサイエンス

“母親目線”で保育、口コミで広がる

保育園で過ごす時間は、子どもたちが親元を離れ、団体生活のなかで学ぶ機会─。そうした“母親目線”の保育を、認可保育園「こあらっこはうす」を運営するグランメール(横浜市鶴見区矢向)が実践している。

保育園「こあらっこはうす」は「学びの機会」

「遊びを大切にし、他の人と接することで子どもたちなりに考え、成長につながります」と、濱田さわ子代表。同じことを一斉に行う場合でも、早くできる子どももいれば、時間のかかる子どももいる。むやみに手伝うのではなく、よく観察して「気持ちに寄り添い」「できる機会を奪わない」ようにするのだという。

「『遅い』イコール『できない』『やる気がない』とは限りません。ゆっくりでも『やりたい気持ち』を持っている場合は尊重し、できるまで手を貸さずに見守ります」

2人の子育て経験がある濱田代表が、1999年に独立して開業。子どもの栄養を考えた自園調理の給食やおやつ、成長を見守る母親のような愛情こもった保育に、良い口コミも広がった。現在では4拠点を構え、保育士40人を擁するまでになった。

今後は規模拡大よりも、人材への投資に力を入れる。「若い世代の保育士にとって、母親目線の保育は未知の世界です。学校で学ぶわけでもなく、理解するにも時間がかかります。大切な思いはしっかり継承していきたいです」と語っている。

(2023年4月号掲載)