金属加工・樹脂加工・その他加工

橋梁のゴム支承、特殊テープで補修

山陽化成工業(横浜市港北区新羽町)は、橋梁(きょうりょう)を支える「ゴム支承(ししょう)」を補修し、耐候性(屋外の自然環境に耐えうる性質)を大幅にアップさせるコーティング工法「GSJテープ工法」の普及を進める。全国的にインフラ構造物の老朽化が進む中、同工法の市場拡大を期待する。

インフラ老朽化で普及急ぐ

国土交通省によると、高度成長期以降に整備し、50年以上経過する道路橋などのインフラは加速度的に増えるとされ、一刻も早い対策が求められている。

橋梁には、橋げたと橋脚の接合に、支承が使われている。今では「ゴム支承」が普及するが、時間の経過とともに、空気中のオゾンとゴムが反応して起こる現象「オゾンクラック(オゾン劣化)」が発生、放置したままだと、損傷の拡大が懸念される。そのため、補修が不可欠となっている。

「GSJテープ工法」は、耐候性や耐オゾン性に優れた特殊テープで支承を保護する。剥離紙を剥がして接合させ、転圧することで容易に施工できる。クラックが入っているゴム支承部位の方向により2種類のテープを使い分けている。

ゴム支承に変異の少ない部分は「GSJテープ」、橋軸方向に変異の大きい部位には「GSJ-Pテープ」を用いる。GSJ-Pテープを用いる場合は、その上にコーティングも施す。

同社は今後、両製品を開発した三ツ星ベルト(兵庫県神戸市)が中心になって設立した「GSJテープ工法研究会」の加盟企業として、共同受注活動などを進める。

菅谷裕之社長は「当社の技術で社会の課題解決に役立てられれば」と話している。

(2023年12月号掲載)