検査装置やロボットを用いた省人化装置を得意とするシグマ工業(愛川町中津)は、「圧力」「流量」「荷重(トルク)」を主軸とした完全オーダーメードの検査装置を展開する。中小サイズの製品の全量検査を自動化させたい企業の要望を聞きながら装置の設計から生産までを一手に受託する。ミクロンレベルの漏れを検知できるリークテスト機の試作にも成功した。

シグマ工業、ヘリウムガスリークテスト機も

リークテスト機は、例えば、ペットボトル飲料から「空気漏れ」を起こす小さな穴の有無を確認する際、水に投入して気泡が出るかどうかで分かるが、量産工場での出荷前検査や全数検査だと、そのやり方は難しい。そこで、空気による圧力をボトルに加えることで、漏れを検知していく。
こうした検査はリークテストと呼ばれ、水などが混入しないよう、設計に気密性が求められるモバイル電子機器の検査にも採用されている。

今回試作したリークテスト機はヘリウムガスを使用しており、通常では分からないミクロンレベルの漏れも検知できる。今後は実用化を進め、小さくて超気密・超精密が求められる半導体部品や自動車部品の検査などに提案していきたいという。

流量検査や荷重検査機も受託生産する。トルク試験機は、ねじのトルク(締めつける力)を測定することで適正な締めつけができたかを見る用途で使用される。品物にピンを圧入する荷重を測定する装置でも多数の製作実績があるという。

■コロナ禍背景に引き合い増

同社によると、昨年10月から検査装置や自動化装置に対する引き合いが増え、その数は2019年度比で1.3倍になっている。

沼澤剛志社長は「明確な理由は分かりませんが、コロナ禍で人手をかけずに検査工程を自動化したいという企業のニーズが高まっているからだと思います」と分析する。

(2021年5月号掲載)