金属加工・樹脂加工・その他加工

東北に工場新設、EV充電器量産へ

本橋製作所(川崎市中原区新丸子東)は、東北工場(宮城県加美町)の敷地内に第2工場を新設、家庭用の蓄電・充電システムなど電気自動車(EV)時代に必要となる装置の筐体などを量産する。併せて本社内に設置したシェアオフィスで異業種の中小製造業や、ものづくり系スタートアップ企業との会合を定期的に開催。連携して通信、半導体、自動車に続く新規分野の開拓を進める。

シェアオフィス異業種連携も

東北第2工場は今年4月の本格稼働に備える。すでに床面積1300平方メートルの建屋が完成。今後はファイバーレーザーの複合機など板金・溶接加工の最新機器を導入するとともに、材料・製品を脱着する各種のローダー機や産業ロボットも採用し、徹底した自動化を進める。

1997年に稼働した東北第1工場は同じ床面積で半導体製造装置の筐体などを製造しており、今回の第2工場の稼働で東北工場全体の生産能力は倍以上になる。

同社は50年にプレス金型メーカーとして設立、通信ネットワーク機器の筐体製造で成長した。これまでに使用した1万点を超えるプレス金型を「カタログ化」しており、完成品メーカーの技術者がこのデータを利用して筐体を設計すれば、新規の金型製作が不要なため量産開始の初期費用が半分から3分の1に圧縮できる。

このため、顧客企業内の他部門からも発注が続き、現在は通信、防衛、半導体、航空機など50社余りに取引先が拡大している。

■総合的ものづくり機能

3代目となる本橋洋介社長は2020年に就任し、JR・東急の武蔵小杉駅近くの本社内に本社機能のオフィスと融合する形でシェアオフィスを開設した。

かつての発注側大手の協力工場仲間や起業家が集まって「加工分野を横断すると違ったアイデアが出てきます」(本橋社長)といい、切削加工やダイカスト、電子機器製造などの企業と連携した総合的なものづくり機能の発揮を目指している。

(2024年2月号掲載)