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有機EL技術、欧州車に採用

県内企業のオンリーワン技術が欧州に─。厚木ミクロ(厚木市長谷)の有機EL(OLED)基板関連技術が欧州自動車メーカーに本格採用された。独OLEDWorks社と、自動車用テールランプ向けの有機ELモジュールを共同開発し、量産車への搭載が始まった。「2024年中には、当社のモジュールが採用される車種が増える見通しで、電気自動車(EV)向けの需要増も期待できます」(上田康彦社長)としており、同社のモジュール技術をグローバルに拡販していく。

独社と開発しモジュール拡販

■「パッシブ型」に強み

厚木ミクロは、有機ELの基幹モジュールである超薄型ガラス基板を開発、製造する企業。光学部品やセンサー関連部品も主要品目とし、薄膜パターニング技術を駆使した電極基板の製造に強みを持つ。

有機ELは分類すると、テレビやスマートフォンなどに使われる「アクティブ型」と、地味だが表示装置やヘッドアップディスプレイなどに利用される「パッシブ型」の2種類がある。同社は「パッシブ型」有機EL用の超薄型ガラス基板を得意とする。

有機ELを車載用テールランプに活用した場合、色を変えるだけでなく、絵や文字なども映し出せる。

そのため、自動車メーカーもさまざまな活用方法を模索しており、第一弾として欧州メーカーが採用に踏み切った。

同社は23年9月に幕張メッセで行われた第2回オートモーティブワールド展に、OLEDWorksと共同出展しており、引き続き車載向けを開拓していく。

(2024年2月号掲載)