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最新設備でFRP内部を見える化

FRP(繊維強化プラスチック)製品製造業、FRPカジ(山北町)は、検査・評価受託サービスを本格展開する。これまで製造受託一筋で培ってきた技術や知見を生かし、町内に「R&Dセンター」を新設。欧米で先行するFRP廃棄物の埋め立て削減の動きをにらみ、FRP製品の長寿命化を目指した製品開発や検査・評価を支援する。

FRPカジ、長寿命化に貢献

FRPは配合や加工方法によって強度、寿命が全く異なるとされる。佐藤政志社長は「例えば、素材や加工方法が異なるテレビのリモコンが二つあったとしても、見た目では区別がつきません」と説明する。

今回の検査・評価受託サービスでは、R&Dセンター内に新規導入したX線CT検査装置などを活用。非破壊検査により製品の内部まで鮮明に分かるデータを示すことで、FRPの“違い”を見える化。「劣化診断」もしていく。これにより、強度向上や長寿命化に役立ててもらう。

サンプルの持ち込みだけでなく、郵送による検査依頼にも対応する。このほか、メールや動画を活用し、自社が手掛けたFRP製品の検査や評価・研究についても技術レポートとして広く発信する。

■「劣化診断」で提案

同社によると、FRP廃棄物は現在、リサイクル技術が確立されておらず、処理は埋め立てが主流という。

国内では2018年時点で年間31トンが埋め立てられているものの、欧州ではすでに、FRP構造物を含む埋め立て廃棄物を35年までに大幅削減することが義務化されている。同社では、これからは日本でも同様の規制がされると予測する。

そのため、長寿命FRPの製造技術の開発を進めるとともに、取引先に対してはFRP製品の「劣化診断」により、適切な補修・改修方法も提案することで、長く使い続けられるようにしていく。

これにより、設備入れ替えの必要がなくなり、結果的に埋め立て量の削減にもつながるという。

(2022年8月号掲載)