金属加工・樹脂加工・その他加工

日本製金属瓦、海外市場からも熱視線

日本製「金属瓦」が海を渡る─。マックス建材(横浜市港北区新羽町)の製造販売する金属製屋根「マックス瓦」が、海外でも普及しようとしている。優れた耐久性から、地震や台風といった自然災害に強い屋根として注目され、国内では大手ホームセンターでも販売されるほか、全国約100社ある協力工務店を通じ、累計10万棟以上を施工。今ではボリビアや台湾、韓国などの海外市場にも輸出されるようになった。

アジアや南米にも展開

■最高品質「ガルバリウムプラス」

「マックス瓦」は、高耐久性で知られる日本製・ガルバリウム鋼板の中でも最高品質とされる「ガルバリウムプラス」を使用。アルミ55%、亜鉛43%配合の合金メッキ鋼板だ。この素材に対し、自然対流によって空気がこもらずに循環する新技術「通気構造」も採用した。

これにより、メンテナンスフリーかつ最高クラスの耐久性を実現。同社では、品質保証として「変色・褪色20年」「塗膜20年」「赤さび20年」「穴あき30年」も付加する。

また、フッ素含有率80%以上のハイフッ素塗装により、長く光沢ある美しさが保てるという。

近年日本では災害対策として伝統的な瓦を新建材に代替する動きがあるが、同時に海外でのニーズも見込める。

同社は2008年、国際協力機構(JICA)の中小企業海外展開支援プログラムに採択され、南米で現地調査を実施。スペイン統治時代があったボリビアは、住宅もその影響を受けており、粘土を素焼きにした鮮やかな色の瓦「スペイン瓦」が屋根に使われている。しかし、経年劣化などにより、自然災害時は事故につながる懸念もあった。

こうした調査経験から、日本と同じように瓦屋根の住宅を持つ国や、自然災害の多い国・地域への輸出も始めた。すでに韓国や台湾でも受注している。

■新しいことに挑戦

一方、同社は製品の普及をするため、「マックス安全協力会」を設立。現在は工事店を中心に約100社・者が加盟する。全国の業者が適切な施工をすることで品質を安定させる狙いもある。

また、業界全体のレベルアップや職人の地位向上を目指し、同協力会認定で、事業者の顧客対応や経営状態を評価する資格「エシカル・マスター」制度(工事店系経営者と現場作業者の2分野)も新設している。

「マックス瓦で質の高い施工をするだけでなく、認定資格を取得し付加価値としてもらうことで、社会的地位向上や他社との差別化も図ることができます」と、榎本浩康社長は語っている。

(2023年9月号掲載)