住まいの産業 / ライフサイエンス

新商品開発、全員野球で差別化

国産ソファメーカー、セルタン(厚木市金田)は、新商品開発で独自のシステムを導入。毎月5アイテムほどの新商品を送り出し続ける。イントラネットを活用し、入社年度や部門を問わず、社員の誰もが「こんな商品があったらいい…」と思うような企画案を随時出せる仕組みを構築。そこで出たアイデアを、週1回の開発会議で議論し、早ければ1カ月で商品化する。

セルタン、毎月5アイテムを続々と

同社はソファをはじめ、座椅子や寝具など、本社工場で計2000アイテムを生産。ネット直販や大手量販店などに卸す。同業他社も参入する中、新商品企画を“全員野球”でやることで差別化につなげているという。

具体的には、各社員が社内の情報共有システム(イントラネット)の中で「K品番」と名付けた提案ボックスに対し、写真付きのイメージや企画の概要、戦略、コンセプトなどを入力している。

■「心の満足度」高める商品づくり

また、「もはや消費者は価格で選ぶ時代ではなくなりました」(八木美樹男社長)と話しており、現在はソファにこだわらず、お客さんの「心の満足度」を高められるような商品づくりにも注力する。

その第一弾として、地元木材店から出た県産材(丹沢など)の端材を再利用し「プレミアム端材 薪」として商品化、自社の直販サイトでの販売を始めた。

「ストーリー性があったり、楽しさがあったりする商品は“心の満足度”がある商品です。こうした商品に価格競争は関係しません」(八木社長)と話しており、今後も同コンセプトによるモノづくりを実践していく。

(2021年11月号掲載)