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教育方針に沿ったベビーシッター派遣 子育て経験を生かす

mai・chai・mai(マイ・チャイ・マイ、川崎市中原区下沼部)は、ベビーシッター派遣による家庭でのマンツーマン保育事業を展開する。女性の社会進出が進み、保育所の不足と合わせてベビーシッター派遣への需要が拡大。単なる子守りでなく、家庭の教育方針まで把握した同社のベビーシッター派遣にはリピートオーダーが多く、優秀な女性社員をつなぎ留めたい法人との契約も拡大している。

学びへの興味喚起、救命知識..

同社は2006年設立。約100人のベビーシッターが登録し、川崎市や横浜市および東京都の一部を対象に家庭へ派遣している。

英国の家庭内保育資格「チャイルドマインダー」を参考に、学びに興味を持たせる遊びや、万一の災害やけがに備えた救急救命の知識を備えたベビーシッターを派遣する。親から子どもをしかる基準やおやつの与え方などを聞き取り、家庭の教育方針を守った保育を行う。料金は12歳までのベビーシッター派遣で1時間2640円から。

登録するベビーシッターは、自らの子育てを終えた女性が多く、顧客の家庭にマッチすると長期間の契約になるケースも多い。需要拡大に対応するため業界では登録者増に力を入れているが、同社はあえて厳しい面接を行い、レベル維持を優先しているという。

顧客はかつての富裕層ではなく、一般的な共働き世帯が拡大。川崎市の「産前産後家庭支援ヘルパー」や、国のこども家庭庁の「ベビーシッター派遣事業」などの補助を利用するケースも目立っているという。

また、法人契約では病院やイベント会社、結婚式場と直接契約を結んでいるほか、一般企業からの依頼も増加。企業内保育所を持てない中堅・中小企業が、女性社員が保育所を見つけるまでの期間にベビーシッターを利用する費用を会社で支払うケースも出てきているという。

企業が社員の福利厚生策として全国保育サービス協会の「ベビーシッター育児支援事業」を利用し、割引券を提供するケースも多い。「近年増加している双子の育児をいかに母親とベビーシッターで役割分担するかといったノウハウも蓄積しています」(大庭真社長)といい、女性が活躍する社会の環境整備を支えている。

(2024年10月号掲載)