住宅関連業、アイネックス(厚木市妻田南)が快進撃を続けている。サイディング職人だった早坂宣則社長が約25年前、個人事業主から出発した企業だが、現在は従業員数130人を擁し、売上高は50億円に届こうとしている。飲食店経営にも進出するなど、早くから多角化を進めたことや、人に対する投資を惜しまない独自戦略で企業規模を拡大。5年後には100億円企業を目指している。
多角化戦略で急成長
不動産から資材加工・製造や卸売、住宅外壁工事、リフォーム、太陽光発電システムの施工、飲食店経営…。同社を核に、関連事業を手掛けるグループ企業を次々と設立し、家づくりに関することをワンストップで対応する。
「大きくなる企業と、そうでない企業の違いは、現状に満足するかしないかだと思います」と早坂社長。景気や企業業績には必ず波がある。「よい時にこそ、新規事業や人に対してしっかりと投資をし、悪い時に備えることが大切です」とも付け加える。
新規事業に対しては、本業の課題解決につながる分野にターゲットを決めて参入。そうすることでシナジー効果が得られるという。
■飲食店経営で人材獲得
例えば、同社では飲食事業部を設立。市内で居酒屋とカレー店、うどん店を運営する。
本業と飲食店の関わりはないように思えるが、早坂社長は「優秀な人材を“一本釣り”する狙いもあります」と明かす。つまり、アルバイトとして入ってくる大学生・専門学校生などで優秀な人材に声をかけて入社につなげる。「アルバイトを使う飲食店のような業種をやっているからこそ可能になります」
一方、「優秀な人材は優秀な人材を呼び込む」という考えから中途採用も強化。大手企業などから人材を積極的に登用する。
「仕事ができて人望がある人材は、前職での辞め方もきれいです。だから当社に転職しても、前職の部下や同僚とつながっています。そうなると、また新しい人材が集まってきます」と説明。現在、年間10人ほどの中途人材をコンスタントに採用する。
■営業専門会社も設立
このほか、グループ内に営業代行企業も設立。そこでテレアポや飛び込み営業も実践。他のグループ企業が本業に集中できるようにしている。
今後テコ入れするのは自社ブランドによる戸建て住宅事業。年度内に形を作り、まずは市内を中心に展開するという。