金属加工・樹脂加工・その他加工

成形機の心臓部を支える職人魂 スクリュー製造半世紀

マルイ製作所(川崎市中原区西加瀬)は、プラスチック成形機の“心臓部”といえるスクリュー・シリンダーの製造一筋で半世紀以上の歴史を重ねる。長尺物の機械加工から表面処理、研磨まで、実に30以上の工程を経て1本のスクリューを完成させる。スクリュー生産は工程数が多いため、業界では納期遅れが常態化している中、同社は優れた生産管理とプロ意識で納期を厳守。圧巻の熟練技術により、唯一無二のスクリューを送り出している。

一品一様の生産

国内プラスチック産業が走り出した1958年に創業。伊藤晃介社長は3代目で、現在は川崎と千葉県富津市に工場を構える。

原料(ペレット)を溶融し、金型に充填

プラスチック製品の"生産設備"である成形機において、金型とともにスクリューの役割は極めて重要とされる。ホッパーから供給された原料(ペレット)を溶融し、金型に充填する役割を担う。ここに不具合があれば、製品全体に影響が及ぶのは言うまでもない。

スクリュー本体は長尺物で、同社では直径250ミリメートル、長さ6メートルまで対応している。

生産は一品一様。その工程数は多く、「1本を完成させるまで社員全員が携わります」と伊藤社長は語る。スクリューの材料はまず富津工場で機械加工が施され、最終的に川崎で仕上げる。

「何が何でも納期は守る」

機械加工による削り出しにも、専門のノウハウが求められる。「ものによっては3週間かかる」(伊藤社長)こともあるという。

一方、表面処理などの多くの工程は同社単独では完結できないため、多くの協力業者との連携が不可欠。これはスクリュー製造の同業他社も同様だ。ゆえに業界では納期を守らないのが当たり前だったという。

その点、同社は協力業者と厚い信頼関係を構築しているといい、率先して協力してもらえる体制を築く。「何が何でも納期は守ります」と神囿健専務は断言する。

あらゆる感覚を駆使し、手作業で研磨

高品質を支えるのは職人による「磨き」の技術だ。

加工精度を出すための最終工程で、視覚や力加減、作業音、時には嗅覚など、あらゆる感覚を駆使し、手作業で研磨する。熟練の磨き職人である神囿専務は「絶対に自動化できない分野です。海外企業には決してまねできません」と自負する。

今や日常生活に欠かせなくなったプラスチック製品。それらを生み出す成形機の心臓部ともいえるスクリューには、確かに“職人の魂”が宿っている。

(2025年7月掲載)