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懐かしの綿菓子をグルメに オリジナルブランドで生産拡大

グルメなコットンキャンディーをもっと手軽に―。オリジナル菓子商品開発のコレノ(横浜市保土ヶ谷区狩場町)は、同社で製造する「コットンキャンディー(綿菓子)」の生産を拡大する。これまではOEM(相手先ブランド製造)を主体としてきたが、市場拡大が見込めることから、自社商品の開発に着手、オリジナルブランド「Tars(ターズ)」を立ち上げる。年内には大量生産用のライン設備の導入も計画し、コットンキャンディーの生産量を現状の10倍に増やしていく計画だ。

「昔食べた」が呼ぶ再流行

同社はポップコーンやコットンキャンディーなどで、新商品の企画からOEMまでを手掛ける。具体的には、雑貨店やスポーツチーム向けなど、コンセプトや予算に応じて商品開発、生産している。

これまでにも、有名アニメ映画限定やご当地限定のポテトチップスをはじめ、ポップコーンやコットンキャンディーの「横浜中華街限定」「サファリパーク限定」といった商品などを続々と手掛けている。

もともと、櫻井匡希社長は食品加工機などの営業として菓子分野に携わっていた経験から、製造装置の仕組みや原料、販売に至るまでのノウハウを蓄積。2016年に創業した。

「食品には必ず流行があります」と櫻井社長。ピーク時には、作れば作るほど売れるものの、ピークアウトすると市場から消える。しかし、一度流行した商品は認知度が高く、「どこにも売っていないから」「昔食べたから懐かしい」といった理由で再び需要が生まれるという。コットンキャンディーもそのうちの一つだという。

今回、同社ではコットンキャンディーのオリジナルブランドを立ち上げる。すでに稼働している設備では、工場にカメラモニターを導入し、温湿度をセンサーで数値管理するなど、生産履歴を追える品質体制を構築。自社商品とOEMの双方のニーズ拡大に応えられるよう、量産設備を年末までに導入する予定だ。

櫻井社長は「キャンディー市場は伸びています。おいしいコットンキャンディーをもっと手軽に手に取ってもらえるようにしたいです」と話している。

(2025年3月掲載)