住まいの産業 / ライフサイエンス

愛車をラッピングで“お色直し”

KPN(横浜市鶴見区矢向)は、クルマ愛好家を対象にしたカーラッピングサービスを始めた。カーラッピングは、塗装しなくても自慢の愛車を気軽に“お色直し”できるもの。飽きたらラッピングをはがせば元に戻せる。「日本ではまだまだ浸透していませんが、もっと身近になってほしいと思い始めました」と伊藤紀章社長は話している。

フィルム貼付の技術を普及へ

カーラッピングは、米国製の専用フィルムを職人が丁寧に貼っていくことで、塗装をしなくてもクルマの外観を好きな色にできる技術。塗装と比べると施工スピードが早く、元に戻せるのが特徴。ボンネットやルーフだけといった部分的な施工も可能だ。

500色以上から選べ、つや消しのマットな仕上がりもできる。フィルムは耐久性に優れており、原則として2年以上は持つという。

「気分次第で年2回、愛車のカラーを変えることもできます。手放す時は、フィルムを剥がせば元に戻ります。塗装だとそうはいきません」と伊藤社長。施工費は45万円(応相談)からで、納期は1週間程度。

■業界の第一人者

専用フィルムが開発されてまだ日が浅く認知されていないものの、現在はイベントの宣伝カーなどでカーラッピングが浸透しており、手軽さからニーズも高まっているという。

伊藤社長は日本におけるカーラッピングの第一人者とされ、フィルムメーカーのエイブリィ・デニソン・ジャパンが運営する「カーラッピングインストーラープログラム」の最上位トレーナー認定試験に日本で最初に合格した人物。

これまでは企業からカーラッピングの依頼を受けていたが「業界全体を盛り上げたい」と、個人向けサービスも始めることにしたという。

■専用ツールも7万本販売

カーラッピングの専用ツールも開発している。ラッピング施工時には、丸まった部分や凹凸部分、すき間がある部分など、複雑で難易度が高い作業も頻繁に出てくる。

そのため、伊藤社長は11種類のツールを考案し商品化。1本当たり600円程度だが、これらのツールを組み合わせて施工することで、施工効率が飛躍的にアップするという。すでに国内外で累計5万本を販売している。

(2024年2月号掲載)