スタートアップ企業のリスク計測テクノロジーズ(RimTech、横浜市中区桜木町)は、メンタルサポート研究所(東京都中央区)と業務提携し、タブレット端末に向かって声を発するだけで、心の状態が見える化できるシステム「Motivel」の普及に乗り出す。同システムでモチベーション低下が見られた利用者に対し、メンタルサポート研が制作した回復のための動画コンテンツを提供する。これにより、メンタル状態の測定からセルフケアまでを一貫してできるようにしていく。

メンタルサポート研と提携

RimTechの「Motivel」は、日本語、外国語を問わず、言葉を5秒間発することでモチベーションなどの状態を可視化する。モチベーション低下により発生する事故やミスといったリスクの事前回避につなげるとともに、働く人たちの心の健康を管理するためのツールとして役立てる。4月から月額300円のクラウドサービスとして提供している。

モチベーション数値の算出は、声から分析した「リラクゼーション」と「プレジャー」をベースに「バイタリティ」を割り出し、過去のバイタリティ数値を基準にして導き出す。モチベーションの数値が低いと、勤務中の事故やミスだけでなく、不正につながるとしており、同システムで日々計測していくことで対策が打てるようになるという。

今回、RimTechは、企業で働く従業員などの心のケアを展開する専門家集団、メンタルサポート研と提携。同システムの利用者からモチベーションの赤信号が出た場合、メンタルサポート研が提供する積極的認知対処(認知行動療法)やマインドフルネスといった動画コンテンツにリンクさせ、閲覧してもらうことでセルフケアにつなげる。動画サービスは年度内の提供を予定する。

RimTechの岡崎貫治社長は「夕方仕事から帰宅してから翌日出勤するまで、動画コンテンツを参考にすることで自らモチベーションを回復させることが期待できます」と話している。 

(2021年4月号掲載)